療法について

あおぞら園の療育について

療法の樹


あおぞら園の療育について
 あおぞら園の療育についてお話します。あおぞら園では、お子様一人ひとりに合わせて柔軟にオーダーメイドができるような枠組みの中で計画を立て、施設長をはじめ、保育士、栄養士、看護師、セラピスト等も含めた職員全員で連携しながら支援を進めていくという方法をとっています。具体的な療育の考え方については、この樹のようなイメージになります。

 まず、子どもにとって大事なことは「遊び」です。あおぞら園での療育は遊びを通して行うという考え方です。「遊び」とは何かといえば、子どもが自分から興味を持って行う活動であると考えます。着替えや歯磨きなど、特に楽しいことでないようなことでも、大人のかかわり方によって、興味の持てる、楽しい活動になっていくことが可能です。ふつう、そういうことを「遊び」とはいいませんが、子どもにとって「興味のある楽しい活動」であれば、生活そのものが楽しいことの連続です。

 それを可能にするのが、この樹の幹である、応用行動分析(Applied Behavior Analysis;ABA)という考え方です。これは心理学(行動分析学)にもとづいた発達支援の方法で、お子様の療育だけでなく、他にもさまざまな領域で応用されています。簡単に言えば、一人ひとりにぴったりと合った目標を具体的にかかげて、その目標が達成しやすいようにお子様の周りの環境や職員の援助の方法を工夫して、お子様が(保護者や支援者も)楽しみながら、意欲的に取り組めるように支援することで、発達にかかわるあらゆることを伸ばしていこうというものです。あおぞら園では、お子様が安心して過ごせる環境の中で、達成感を感じてもらいながら、自信を持って行動していく姿勢を育てるということを大切にしています。将来にわたる信頼感に根ざした人間関係と、いろいろなことに積極的に挑戦していける心を育ててもらえるように支援していきたいと考えています。

 枝に別れていく部分の「太田ステージ(発達の評価)」というのは、お子様一人ひとりの発達の状態を評価・把握して、具体的な目標を立てていく方法のひとつです。あおぞら園では、他の簡便な発達検査を含めて客観的な評価を行いますが、検査だけでなく、ご家庭での様子をお聴きしたり、毎日の行動をていねいに観察したりしていく中で、お子様一人ひとりの全体像をとらえ、発達の課題にぴったり合った個別の目標を立てます。

 また、お子様自身がものごとをより理解・表現しやすくするために、スケジュール提示やコミュニケーションの補助に、イラストや写真のような視覚的支援や物理的な構造化を取り入れています。わからないことへの不安を減らし、お子様が見通しを持って、自分で行動したりコミュニケーションしやすくすることに役立つと考えています。

 さらに、木の実の中にあるような様々な方法を、一人ひとりの支援計画に合わせてオーダーメイドしていきます。これについては、各セラピストが個別のセラピーに加えて、日常の療育に対しても協働して進めていきます。いろいろな立場からのアイディアを遊びや活動に取り入れてたくさん経験していただきます。

 そして最も大切なことですが、あおぞら園は、できるかぎりご家族の思いにそって、ご家庭と連動した療育を行っていきたいと考えます。創設者である三田谷啓は「母と涙の二等分」という言葉を残していますが、あおぞら園はその意志を受け継いで、つねにご家族の気持ちに寄り添っていきたいと考えています。お子様の持つ可能性を豊かに広げていくために、これからもよりよい支援に努めてまいります。(文責 明石市立あおぞら園副施設長 臨床心理士 吉川正勝)

療法の種類

 あおぞら園ではさまざまな療育方法を積極的に取り入れております。

  • 言語療法言語療法

    言葉や聞こえなどのコミュニケーションに関することや食べることに関する問題の改善を目指します。

  • 作業療法作業療法

    主に全身を使う遊びを通して、姿勢や運動をコントロールする力、見る、聞く、感じる力、目的を持って意欲的に活動する力を育てます。

  • 行動療法行動療法

    臨床心理士により、表出している行動や、内在している気持ちを分析し、いろいろな方法を用い子どもの発達を促します。

  • 自由保育写真自由保育

    子どもの自発的な活動を重視し、子どもたちの興味や関心を見つめながら行う保育内容です。自主性・危険を察知する能力・譲り合うことや順番を守るという対人関係能力などを学びます。

  • 設定保育写真設定保育

    発達段階に応じて、個別支援計画に基づき、音楽・お絵かき・遊戯などに取り組むことで成長を促します。